2017.05.23 #Report

「好きなことで起業する、日本初のオーガニック・ガーデンキュレーター小島理恵に学ぶ、自分らしい働き方」レポート[後編]

小島理恵(オーガニック・ガーデンキュレーター)

“笑顔をつくる”Bizプロセミナー@勉強カフェ vol.2
4月7日(金)、勉強カフェ 溝の口スタジオにて開催された、日本初のオーガニック・ガーデンキュレーターとして活躍する小島理恵さんに、自分の好きなことを追求し、自分らしい働き方、想いを実現する方法をお聞きしたセミナーのレポート後編です。

「好きなことで起業する、日本初のオーガニック・ガーデンキュレーター小島理恵に学ぶ、自分らしい働き方」レポート[前編]


独立して大切だった3つのこと
「1. とにかく色々な人に言ってみる」



「これで起業する!」と起業の決断まではしていなくても、「これでお金稼ぎたいなと、なんとなく思っている」とか、「こういうサービスを提供したいと思っている」とか、そういうことを家族でも友達でも勉強会の場でも、とにかく色んな人に言ってみることです。
これは、意外と勇気が必要だったりするんですが、それでも、あえて言うのが大切だと思います。

私自身も、言ってみたら色々なことが起きました。
ずっと里山の保全がしたいと色々な人に言っていたら「里山BONSAI」プロジェクトの話が来たり・・・
フリーランスの時に通っていた、横浜市の「女性起業家たまご塾」で、あるとき、「イングリッシュガーデンみたいな植栽のお庭がつくりたいので、信州とか東北とか涼しい地域でガーデンをつくりたいんですよねーって」言ったんですよね。でも、言ったことをすっかり忘れていたんです。それを、たまご塾のコーディネーターの方が覚えていて下さって、たまたま、講師として北海道からきていた女性起業家の方と名刺交換をしているときに、その脇で、「小島さんは、涼しいところでガーデンをつくりたいんだよね。」って言って下さったんです。そうしたら、「じゃあ、ウチで造れば?」ということになって。何年かかかりましたけど、本当に、北海道でガーデンをを造ることが出来ちゃいました。

自分がやりたいと思っていることを言ってみると、「もっとこうした方がいいんじゃない?」とアドバイスがもらえたり、「こういう人紹介するよ」って人を紹介していただけることもたくさんあります。
「私は、まだ始めていないし。」とか、難しいことはあまり考えずに、考えていることや将来の夢とかどんどん言ってみるといいと思います。


独立して大切だった3つのこと
「2. 依頼されたことはやってみる」




これ、意外と皆さん断ることが多いんですよ。
例えば、「こういう仕事をやりませんか?」と言われても、「まだそんなに経験を積んでいないから」とか、「やったことがないので無理です」とか言う方が多いと思うんですが、基本的に受けた方がいいです。

なぜかというと、依頼する人はその人が出来ると思っているから依頼をしているんです。そうじゃないと、自分の責任問題になっちゃったりしますよね?
だから、「やってみない?」と言われたら、「自分に出来ると考えてくれているんだ」と思って、覚悟を決めて受けちゃう。やったことがなくてもこれはいい機会だと思って、そこから必死に勉強するとか。そうすれば、もし、そのイベント自体が成功しかなったとしても、勉強したその知識は自分の財産になるじゃないですか。

私自身の経験としては、「町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー」のガーデニングプランナー科の講師のお話をいただいた時、私はまだ前の会社にいて、経験もそんなになかったので、「私みたいなのが講師なんてやってもいいのでしょうか?」と聞いたんです。そうしたら、「小島さんが出来ると思うからこうやって話をしているんですよ」と言われ、そうなのかと思いました。
でも受けたものの、何をどうやって話せばいいのか全然わからなくて、私自身、造園科の出身ではないので、仕事としては一通りやってきていましたが、学校で習うような造園の体系的な知識は、あまりなかったんです。だから、造園の教科書を片っ端から読みました。それがなければ、今、そこまで勉強をしていなかったと思うので、「講師の依頼を受けて良かったな」と思っています。

例えば、簡単なアルバイト程度のことでも何でも、知り合いから「こういうことできないか?」と頼まれたら、断ることは簡単なんだけど、ものすごい出費だったり、損しないようなレベルのことなら、やってみてください。やってみたら、「皆さんこういうことを知りたいんだな」といった、情報収集というか経験になるし、自分の実績としても書けるじゃないですか。例えば、セミナーをやったとして、そのときの収入が0円だったとしても、それは誰にもわからないので。

もし、自分のやりたいことで食べていきたいと思っているのであれば、これから色々なことが起こります。会社員として、与えられた業務をこなしているのとは違って、色々なリスクもあります。多少のリスクも覚悟してもやっていかないと、前に進めない部分もあるんですよね。そういう意味でも、「やったことがないことでもやってみる」という小さな経験の積み重ねが、後に財産になってくると思います。


独立して大切だった3つのこと
「3. キャッチフレーズを決める」




「水と生きる SUNTORY」とか、「お金で買えない価値がある マスターカード」とか、企業にはキャッチフレーズがありますよね。

私も、自分は一人でやっているし、キャッチフレーズなんか必要なのだろうか?と思っていました。そもそも、なんだか恥ずかしいし・・・でも、「すべての庭をオーガニックに!」というキャッチフレーズをつけて、やっぱり良かったと思っています。パンフレットや、ホームページなどには必ず載せているんですが、色々なところに表示しておくと、気づかないうちに変わっていくんですよね。

オーガニックな庭づくりをしていても、お客様には、「すぐに害虫を殺したいから殺虫剤を撒いてよ」と依頼されることもあったりして、「お客様の希望だし、少しくらいなら仕方ないかな」と、対応していた時期も、実はあったんです。
でも、キャッチフレーズをつけたことで、出来る対応は惜しみなくやり、それでも気にいてもらえないのであれば、他社さんに変えてくださいと、はっきり言えるようになりました。「じゃあそうします」というお客様はいらっしゃらないんだけど・・・「ちゃんと考えてくれているんだな」と逆に信頼されることもあるんじゃないかなと思います。

それから、興味を持ってもらえて、「一緒に何かやりましょう」と、声を掛けてもらいやすくなりました。例えば、オーガニック繋がりで、オーガニックな建築をされている方との縁が繋がったり、オーガニックコットンの会社と繋がることができたり。

スタッフも、まずキャッチフレーズを見て応募をしてくるので、会社の理念を理解してくれています。なので、「お客様に農薬使えと言われたので撒いてきました」というようなことは、まあ、ありえない。もっと仕事を大きくしていこうと思った時も、キャッチフレーズがあれば、会社のコンセプトや、いただく仕事に、ブレが生じにくいんじゃないかなと思います。


最近意識していること、これから意識しなければいけないと思っていること
「信頼=マネー」




譲渡可能な信用という社会的技術こそが、基本的な力であり、マネーの原始概念なのである


菅付雅信さんの著書『物欲なき世界』に書いてある言葉ですが、“譲渡可能な信用”とは、私なら、「植木をこうやって植えて、こう育てるといいですよ」という知恵だったり、「小島さんが連れてくる職人さんはみんな腕がいいよね」という信頼だったり、「小島さんが使っている薬剤だったら環境にも体にも悪くないよね」という安心だったり。
そういう信頼が、マネーなんだなと感じています。

庭造りは、結果が出るのに時間がかかるので、完成形がイメージしやすいよう、パース図やイメージ写真などを提出するんですが、それでも実際どのくらいの時期に、どういうボリュームで木が生えてきて、3年後にはどれくらい素敵な空間になるのか、お客様には伝わりづらい。
でも、私たちを信頼してもらい、最初にお金を出す約束をしていただかないと、この仕事って始まらないんです。

初対面でいきなり信頼いただくのは難しいので、やっぱり、自分がやっていることや考え方を普段からSNSやブログとかでまめに発信していくとは大切だと思います。それも嘘ではなく、本当のことを。

最高の倫理観を持って、物事に対してオープンで正直であれ。そして隠し事をしてはいけない。


アップルの創業者、スティーブ・ウォズニアックさんの言葉ですが、SNSやブログなどインターネットで色々なことがオープンになっている時代だから、隠し事って絶対にできないし、嘘はばれちゃうと思うんです。特に、経営者は全て正直にやってないと信頼にはつながらない。

実際、信頼して任せていただくのが一番仕事がしやすいし、クレームも無いですよね。お客様も、「何百万も払うのに、この人に任せて大丈夫なのだろうか?」と、不安を感じているより、「この人だったら大丈夫」と信頼している人に依頼した方が安心です。
これって、どんな仕事でもそうだと思うんですよね。税理士さんであっても、社内の事務方担当の人であっても、「この人に任せておけば大丈夫」っていう信頼。

ネット上だけだと難しい面もあるので、自分でセミナーを主催したり、こういうところで話をしたりと、ナマで話す機会も、できる限りつくるようにしています。


自分が正しいと、したいと思うことをやり続ける



仕事に意義が生まれるのは、したいと思うことをするからだ。仕事に意義が生まれるのは、正しいことをするからだ。


アウトドアメーカー「パタゴニア」の創業者、イヴォン・シュイナードさんの新しい著書『レスポンシブル・カンパニー』に書かれている言葉です。

独立すると、楽しいことより大変なことが多い時もあります。でも、自分の仕事が半永久的に残ったり、街並みや環境が良いように変化していく仕事だから、やりがいや意義は大きい。
会社にしてしまった時点で、自分だけの問題じゃなくなってしまって、社員にお給料を払わなきゃいけないし、色々な社会的責任が生じてくるので、簡単にはやめられなくなってしまいました。
でも、私は植木屋だし、野菜を育てるのも得意だから、最悪、お金がなくても、食べることにはそれほど困らないんです。最近、クリップ1本から物々交換していって、結構高額なものになったとか、0円で生活している人がカッコいいみたいな価値観も生まれて来ていますよね?私だったら、例えば、果樹の育て方に関する知恵を提供して、実がうまく実ったら、それを分けてもらえて、それがデザートになっちゃうとか・・・
だんだんそういう時代になってきているし、これからは、給料の金額そのものってそんなに気にならない時代になっていくと思うんです。

だったら面白いこと、正しいと思うこと、やりたいと思うことを優先し、やりつづけるのがいいと思うし、私はそうしていきたいなと思っています。


Bizプロフェッサーでは、今後も小島さんと世界を笑顔にする様々なアイデア、プロジェクトを生み出していきます。
その一環として、勉強カフェ 溝の口スタジオでは、通常では中々話聞くことのできない専門分野のスペシャリストをお呼びし「“笑顔をつくる”Bizプロセミナー」を開催していきますので、お楽しみに!

「好きなことで起業する、日本初のオーガニック・ガーデンキュレーター小島理恵に学ぶ、自分らしい働き方」レポート[前編]



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