2017.03.28 #People

ありがとうをつなぐ、知識をつなぐ、失敗を未来へとつなぐ、あきらめない働き方 [前編]

絹川裕康(勉強カフェ 溝の口スタジオ・国分寺スタジオ オーナー / サイバーグリーンシステム代表)

“笑顔をつくる”Bizプロセミナーでご協力頂いている、「学びを通じて幸せな大人を作っていく」をミッションに、大人が思いっきり勉強できる場所を提供する「勉強カフェ」。
首都圏にある10店舗の内、最大の会員数を誇る溝口スタジオと国分寺スタジオを経営する絹川裕康さんは、ドトールの店長からIT業界へ独学で転職、全国の病院へ電子カルテを導入しているIT企業を経営しながら、勉強カフェを2店舗運営するユニークな経歴の持ち主。

人に誘われたらとにかく会ってみる。興味を持ったら何でもやってみる。
「とにかくすぐ行動しちゃうので、人生の8割は失敗」と、明るく笑いながら話す絹川さん。

とことん興味のあること、好きなことをやってみて、失敗してもその経験も知識も全て未来へつないでいく。
2015年3月にオープンした勉強カフェ 溝の口スタジオは、今や全国最大の会員を持つスタジオに成長、さらに拡大を続ける絹川さんにお話しをお聞きしました。

ありがとうをつなぐ、知識をつなぐ、失敗を未来へとつなぐ、あきらめない働き方 [後編]


反射神経で飛びついて、失敗ばかりの20代


「高校二年の時、母親が癌で亡くなったのがきっかけで、医学部を目指しました。予備校に通うため北海道から上京したのですが、ミスタードーナツでバイトを始めると、沢山の人と会える飲食業の魅力にはまり、深夜も遊べる東京が楽しくなっちゃって、勉強より遊んでばかりいたら、大学落ちちゃいまして。」

そこで、大好きな飲食業で就職先を探し、ドトールにたどり着きました。

「接客は大好きで、店長業もとても楽しかったのですが、飲食業は給料が安い。その当時、IT、ITと騒がれていて、儲かるんじゃないかと思い、未経験でしたがプログラマーとして派遣会社に登録しました。しかし技術がないと仕事がない。後には引けないと独学で必死に勉強して、技術を身に着け独立しました」

しかし、待っていたのは150万円の借金でした。

「先輩社長にどうしても手伝って欲しいと言われまして、その時すでに請け負っていた仕事を降りて、先輩社長の仕事を手伝うことになったんです。その際150万円の返済が必要で、それも先輩社長が肩代わりしてくれる約束だったのですが、ごまかされちゃって。その時は、僕はどうなるのだろうと…」

父親の助けを借り、何とか返済した借金。
取引先や社員との信頼関係はとても大切だと感じたそうです。

「その経験があったから、その後雇ったスタッフに、おまえの会社に入るから給料ちょうだいって、まだ何も仕事してないのに言われても、はい!と言われたままの金額を借金して渡していたんです。今思えば、本当の信頼関係というのを分かっていなかったのだと思います。」

その後、取引先に後押しされ法人化、人を増やしていく中でも、過去の経験は役に立ったという。

「失敗した経験から、ちゃんと算盤をはじかなきゃいけないと痛感し、はじいていたら、今度ははじき過ぎちゃって、みんな辞めてしまったり。その繰り返しで、やっと最近丁度良くなってきました。」





現場に近い医療カルテとの出会い


それまで大規模なシステムを作ることが多く、エンドユーザーに会う機会がほとんどなかったため、医療の仕事に出会った時は、これだ!と思ったそう。

「電子カルテのエンドユーザーは病院全体。医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、リハビリの人など、使う立場によって仕様も変わってくるのでユーザー対応が多い。開発半分、お客様と話すのが半分、場合によっては話すことの方が多いんです。現場で医師にこんなの使えない!と言われたら凹むけど、ありがとうと言われるとめちゃめちゃ嬉しい。褒められるともっと良いものをと思い、想いが籠る。」

想いが無いものは何事もだめ、と語る絹川さん。
しかし、IT業界に転職してからパソコンに向かうことが多くなり、人とのふれあいが減っていた為、また接客がやりたいと思うようになりました。


カフェ出店への挑戦


「どうも人恋しくなっちゃって、そうだ!僕はドトールの店長だったんだと思い立ち、ドトールの出店説明会に行ったんです。その場で出店したいと申し出たのですが、空き店舗も無く、出店は既存オーナーが優先だそうで、待てど暮らせど連絡が来ない。このままではカフェができないと焦り始めたころ、当時関東に数店舗しかなかったコメダ珈琲を見つけたんです。」

横文字のメニューが多いセルフのカフェに疲れて、今後はフルサービスに戻るのではないかと予想し、本部の名古屋店と交渉、出店許可を得ることに成功します。

「出店場所は鎌田で見つけたマンションの一階、銀行に融資の申請をし、着手金を払い物件を契約、設計も依頼し、社員も二人雇ってカフェの研修もしていました。」

その後、銀行から来たのは、融資の審査に落ちたという知らせでした。

「当時ITの会社の業績があまり良くなく、そっちにお金を使うのではないかと疑われちゃったんです。結局、物件の着手金は戻ってこず、依頼した設計費も払わなくちゃいけなくて、また借金を背負ってしまいました。」

そこから、まずは足元を見て、ITの会社の業績をしっかり伸ばそうと決意し、ビジネススクールに通い始めます。

「ビジネススクールは、次の授業までにグループで予習をしなければいけないことが多く、以外に勉強できる場所が少ないんだなと気づきました。そんな時、仲間がいい勉強場所見つけたよ!と言ってきたんです。」

それが、勉強カフェでした。





運命を変える「勉強カフェ」との出会い


「仲間と行った無料見学会で、説明を聞いた瞬間、これって僕にもできます?と聞いていて、その場で社長を紹介して欲しいと願いしちゃいました。お会いできた勉強カフェの社長、山村さんとは同じ北海道出身で気が合い、この人だったら大丈夫と信頼が出来きました。」

山村さんには快く出店に賛同いただいたものの、良い物件が出てくるまでそこから3年かかったそう。
そして、Bizプロフェッサーの一人でもある、気学士のKOHCH先生とも出会います。

「たまたま古い友人から、気学って知ってる?と言われ、何でも興味持つ僕は会いに行ったんです。とにかく今まで失敗続きだったので事前に相談をしようと、勉強カフェ 溝の口スタジオをオープンする時は、KOHCH先生に起業鑑定を依頼しました。風水の鑑定やお客様がたくさん来きてくれるよう気の流れを良くしたり、不要なものが入らないよう遮断したりしてくれたようです。」

そして、待望のオープン時には、事前申し込みが200名、その中の160人が会員となり、今では全国一位の会員数を誇るスタジオに成長しました。

「もちろん、スタッフの頑張りがあってこそ。それに過去の失敗も生かされていて、今回はしっかりIT会社とは別の会社を立ち上げて、銀行の融資を無事に受けることが出来ました。」

その一年後にオープンした国分寺店も順調で、会員数はまだ追いつかないものの、新規入会者が溝の口店を超える月もあるそうです。


過去に働いたことを身に付け、次につなぐ


医学部から飲食、ITから医療、コメダ珈琲からビジネススクール、勉強場所から勉強カフェ、一つひとつは点に見える経験も失敗も、全て今につながっている。

「意識しているのは、過去に働いたことを絶対身に付け、次に生かすこと。つなぐのが好きなんです。人と人を会せるのとか、会社を紹介したりとか、枝がだんたん分かれていくような、広がっていく。」

反射神経で生きている、と自ら言う絹川さんの生き方は、本能的でいて無駄がありません。
一見失敗と言われる経験が、後々の成功に役立つ重要な知識となるか、後悔する過去となるか、それはその後の行動次第。
新しいことにチャレンジするには、いつだって勇気が必要ですが、そんな戸惑いを払拭してくれる絹川さんの行動力は、”行動をしなければ何も始まらない”という当たり前のことを思い出させてくれます。


後編では、絹川さんが大切にしている「”ありがとう”をつなぎ、人々の居場所を作る」ことについてお聞きしています。

ありがとうをつなぐ、知識をつなぐ、失敗を未来へとつなぐ、あきらめない働き方 [後編]

絹川裕康
(勉強カフェ 溝の口スタジオ・国分寺スタジオ オーナー / サイバーグリーンシステム代表)

20代でドトール店長として店を運営、その後IT業界へ独学で転職。独立後、サイバーグリーンシステム有限会社を立ち上げ、全国の病院へ電子カルテを導入している。
株式会社ヒューマングリッドを立ち上げ、2015年3月、「学びを通じて幸せな大人を作っていく」をミッションに、大人が思いっきり勉強できる場所を提供する「勉強カフェ 溝口スタジオ」をオープン。現在最大の会員数を誇る。その後「勉強カフェ 国分地スタジオ」もオープン、順調に売り上げを伸ばしている。


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